フィリピンを陰から支える大企業「San Miguel」

フィリピンに来たことのある20歳以上の方なら必ずこの名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?

そうフィリピンで一番有名なビールのメーカー「San Miguel(サンミゲル)」です!

僕も何回もサンミゲルのビールを飲んだことがあるのですが、この会社自体にすごく興味がわいてきたので今回はサンミゲル社について書いていきたいと思います。

そしたら面白い発見がいくつもありました!

目次(移動できます)

会社の概略

San Miguel Corporation(SMC)は国内GDPの5.9%を占める(2018年)、フィリピンで最も大きな複合企業のうちの一つです。

普段はビールでしか見かけることのないこの企業ですが、実はその他にも、食品、パッケージング、ガソリンと石油、発電、インフラ整備など多くの事業を手掛けています。

従業員の数は28,586人(2018年)であり、フィリピンだけでなく、南アジア、中国、オーストラリア、ニュージーランドなどの国に100か所以上の施設を持つ正真正銘の大企業です。

歴史

1890年、La Fabrica de Cerveza de San Miguelによって南アジア初の醸造所がマニラに建設されます。

するとたちまちフィリピンで人気がでました。

1914年までにはマニラの本社から、上海、香港、グアムに輸出するようになります。

1948年には、イギリスの植民地としては初の醸造所を香港に設立します。

1984年には経営が旧スペイン財閥から中国系のコファンコ財閥へと変わります。

今回のテーマとはあまり関係ないですが、このあたりを境にほかの業界でも中国系が目立ってくるようになったそうで、現在フィリピンの長者番付で上位の人もほとんどが中国系です。

事業

・ビール

もちろんサンミゲルはビールが一番有名です。

フィリピンの10人のうち9人がサンミゲルビールが好きらしいです笑

工場はフィリピン国内に6か所あり、サンミゲル社と契約している小売店はおよそ471,000店舗あります。

このようにして、いつでもどこでも新鮮なサンミゲルビールが飲めるようになっています!

・ガソリン・石油

サンミゲル社は石油の精製でも国内最大の企業で、フィリピンだけでなくマレーシアでも事業を展開しているようです。

フィリピンでは国内の供給量の3分の1を担っており、バターンにある精製工場では1日に180,000バレルを精製しているようです。

(※1バレル=約159L)

バターンの精製工場ではガソリンをはじめ、LPG、ディーゼル、灯油、航空機の燃料を作っており、主に海路で国内30か所にある港と貯蔵所に運んでいます。

これらの燃料を国内に2,400か所あるサービスステーションで販売しています。

燃料は車や飛行機と言った乗り物に使われるだけでなく、発電、様々な製造業、鉱山業、農業にも使われています。

・インフラ

サンミゲルはなんとインフラの整備までやってしまいます笑

主にマニラ付近で高速道路を作っています。

とても多くの高速道路を作っているのですが(HPに載ってるだけで12か所)、”NAIA-X“がすごく印象的でした。

NAIAとは”Ninoy Aquino International Airport”の略でマニラの国際空港のことです。

NAIA-Xは空港の3つのターミナルとマニラの中心地や他の高速道路とつながっています。

これができたことにより、多くの人が簡単に空港にアクセスできるようになり、フィリピン経済にも多く貢献していると思います!

ちなみにこの高速道路の建設費用は、政府が約300億円、サンミゲル社が220億円出しているそうです…

サンミゲル社のChief Operating OfficerのRamon S. Angは取材で以下のように答えています。 

“That’s a lot of money and, by our estimate, we expect to recover our investment in about 20 years. But we wanted to do this to help and do our share in nation-building,” Ang said.

“At San Miguel, we see to it that we balance our responsibility to the broader society and our commitment to the company’s shareholders. That’s why we make sure that we take on projects that will not only build San Miguel for long-term success but also help create a better world for the next generation,” he added.

かかった費用を回収するのに20年かかるのにもかかわらず、フィリピン発展のために作ったって…

なんて素晴らしい企業なんでしょうか!

しかし、汚職、賄賂など当たり前のフィリピンなので裏で何か大きな大人の力が働いているような気もしますが…

いずれにせよ、多くの人が恩恵を受けていることに間違いはないので感謝ですね!!

NAIA-X
参照: https://ppp.gov.ph/ppp_projects/naia-expressway-project-phase-ii/?wppa-occur=1&wppa-cover=0&wppa-album=86&wppa-photo=1176

・パッケージング

パッケージングに関しては、Nihon Yamamura Group(日本山村硝子株式会社)をはじめ、Fuso、Kaito、United Resource Recovery Corporationなどと技術面でパートナーシップ協定を結んでいるそうで、名前も「San Miguel Yamamura Packaging Corp.」となっています(http://smypc.com/)。

食品、飲料、薬剤、化学物質などの様々なものの包装を行っており、その商品はアジア、中東、アフリカ、アメリカなどに流通しています。

包装はガラス、金属、プラスチック、PET、紙といった様々な材料で行っています。

・発電

サンミゲル社は国内最大の火力発電所である、”Sual Power Plant”をはじめ、計4つの発電所を持ちます。

・不動産

不動産でも稼いでいます。
(HPの説明文が短かった笑)

フィリピンに来たら是非一度飲んでみてくださいね!

サンミゲル社はビールを売ってフィリピンでの夜を楽しませてくれるだけの会社だと思っていました笑

しかし、実際は幅広く事業を手掛けており、多くのところで陰からフィリピンを支えていたんですね!
日本でいうところの三菱のような財閥みたいな感じでしょうか?

今度サンミゲルビールを飲む際はしっかりとサンミゲル社に感謝して飲みましょうね!

最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

参考
https://www.sanmiguel.com.ph/

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