先日ハリーポッター全巻を英語で読み終えました。
洋書を読むことは英語学習において非常に効果がある勉強法だと思います。
今回の記事では、ハリポタの読み方についてはもちろん、英語多読の始め方や読み方を自分の体験を踏まえて書いていきたいと思います。
ハリポタ全巻のページ数と単語数
ハリポタは全部で7巻あります。
上の画像を見てもお分かりいただけるように結構なボリュームがあります。
ページと単語数は以下の様になります(単語数はWord Countersの値を利用)。
これを見ても分かるように、不死鳥の騎士団がとても長いです。
僕も読んでいるときに、終わりが見えなくて本当に大変でした。
逆に1冊目の賢者の石はかなり短くて、読み始める人にはとっつきやすいかなと思います。
1冊読み終えるとかなりの達成感があり、洋書多読へのモチベーションが俄然でてきます。
自分の英語力とハリポタの前提知識
ハリポタを全巻読み終わった僕の英語力はどれくらいになったのでしょうか?
先日TOEICを受験したところ、940点を取ることができました(2021年2月28日受験)。
もちろん他の方法でも英語を勉強しているので、この点数を取れたのはハリポタ多読だけが理由ではありません。
また、語彙力を測ることのできるサイトがあったので計測してみました。
このサイトには以下のリンクから行けるので是非計測してみてください!
Test Your Vocabulary
僕のこの語彙力は決して自慢できるものではなく、ハリポタでも分からない単語がたっくさん出てきます…
レベル的には、ネイティブの6-7歳と同じくらいでしょうか。
最近はとりあえず、1万を目標に単語の勉強をしています。
ですが、4000-5000程度の語彙力があればハリポタに挑戦してもいいと思います。
また、洋書多読をする際にTOEICなどの試験の点数は特に気にしなくていいです。
「TOEIC900点ぐらいないと読めないのかな?」と心配する必要はありません。
自分のレベルに合った本が必ずあるのでそこから始めるのがいいと思います。
洋書を読み始めれば試験の点数もあがり、気づけば自分でも予想していなかったような高い点数を取れる日が来ると思います。
次に原著を読み始める前の僕のハリポタの前提知識です。
- 映画は全部2-3回ぐらいは見てる
- 本は日本語で1周だけ読んだことがある
映画を何度も見たことがありましたし、日本語で本を全巻読んだことがあったので、前提知識はありました。
「日本語で1回読んだことがあって良かった~」と思うことが何回もありました。少し話についていけなくなった時があっても、内容を補足できるからです。
聞いたことがあるかもしれませんが、本と映画では内容がだいぶ変わります。
(そもそもあれだけ長いものを2時間に収めるのは難しいですよね)
なので映画しか見ていない人が原著を読むと少し混乱することがあるかもしれません。
逆に何週も本を読んだことがある人では、比較的簡単に読み進めるのではないでしょうか。
どれくらいの時間がかかったか
ハリポタを英語で読み始めたのは2019年の6月くらいでした。
そして読み終わったのが2021年の1月なので、全巻読むのに要した時間はおよそ1年半でした。
ちなみに、後述するようにハリポタと同時にノンフィクションの他の洋書も読んでいました。
また、日本語の本も普段から読んでいるのでハリポタだけを読んでいたわけではありません。
おすすめの読み方
ハリポタ洋書を読んでいるときに心掛けていたことです。
これらは他の洋書を読むときにも通じます。
- 辞書は引かない
- 会話以外は流し読みでOK
- 読むのを習慣にする
①辞書は引かない
洋書を読むときは辞書をあまり引かないようにしています。
分からない単語が出てくるたびに辞書を使っていたらいつまでたっても読み終わりません。
そのような時は、意味を予測するか無視していました。
逆に辞書を引くのは以下のようなときです。
- 何回も出てきた単語
- 意味がうろ覚えな単語
今までは飛ばしてきたけど何回も出てきた単語があったら調べて良いと思います。それは重要かもしれませんし、これからも出てくる可能性が高いと思われます。
また、以前単語帳などで勉強して意味がうろ覚えな単語が出てきた場合、復習がてら調べます。勉強したばかりの単語が出てくると「こないだやったやつだ!」と嬉しくなります笑
②会話以外は流し読みでOK
「飛ばしてもいいの?」「それってなんかずるくない?」と思われるかもしれません。
話は少し変わりますが、高校の時に「Stargirl」という英語の小説を全員が購入させられ、読むという課題がありました。
それが定期試験の範囲の一部であったため、しっかりと読まなければいけませんでした。
洋書を読み始めた人のほとんどがおそらく、「知らない単語全てを調べ、1文完全に理解するまで次に進まないぞ!」という風に読んでしまうと思います。
僕もそのようにして読んでいて、他の多くの生徒も同じように読んでいたのだと思います。
それを見かねた英語の先生がある時授業でこう言いました。
「木を見て森を見ず、になってはいけない」
それを聞いてハッとしました。
多くの文において辞書を使ったために読むスピードが落ちるどころか、話の前後が全く分からなくなっており、小説において最も重要なストーリーを把握することがおろそかになっていたのです。
そうするくらいだったら、多少意味の分からない文があってもそれは飛ばして読んで、話の流れをつかみながら読んでいった方がいい、ということをその先生は伝えたかったのだと思います。
じっくりと「木」を見たいなら、そのような参考書はたくさんあるのでそっちで勉強するべきです。
小説や本を読む際は、数本の木は無視して、「森」全体を見ることの方が重要です。
話をハリポタに戻します。
ハリポタに限らず洋書を読む際は、知らない単語が多い文や、文法が非常に複雑な文などは2-3回ぐらい読んで分からなかったら迷わず飛ばすようにしています。
特にハリポタはファンタジーの世界なので、情景描写をしている箇所などは馴染みのない単語も多く、「???」となることが多くありました。
逆に会話では、難しい単語はあまり使われておらず文法も非常にシンプルなので簡単に読むことができます(ダンブルドアは除く。”may”とか”shall”とか使って回りくどい!笑)。
地の文が分かりづらかったら躊躇せずに飛ばして、会話から内容を推測していくのがいいと思います。
最初は分からない文が多すぎて「こんなに飛ばしてもいいのだろうか…」と思うかもしれません。
ですが、洋書を読むにつれて自分の英語力も知らず知らずのうちに上がり、分からない文が少なくなってくるのでそこは心配しなくていいと思います(とは言いつつも、あまりにも自分の英語力からかけ離れた本を読むのはおすすめしません)。
僕も賢者の石を読んでいる時は、理解できる文の方が少なかったかもしれません。
しかし今ではもちろん100%ではないですが、かなり理解できるようになっています。
③読むのを習慣にする
これはリーディングに限らず英語学習全般で言われていることです。
「平日は忙しいから、週末にまとめて読んでしまおう」という様に読んでいては、いつまでたっても読み終わらないうえに英語力もつきません。
毎日読むことが大切です。
僕の場合、ハリポタだけはできるだけ毎日読むようにしていました。
読まなかった日もありましたが、2週間のうち1日程度です。
最初は英語を読むことに慣れていないこともあり、結構きついと思います。
中には英語の長文を見るだけで「うっ…」と拒否反応を示してしまう人もいるのではないでしょうか。
しかし、慣れてくると意外とすんなり読めるようになります。
楽しんで読むことも重要です。
「洋書を読む」=「勉強」と考えてしまい、心構えしてしまうかもしれません。
しかしそれでは、毎回読もうとする度に「よし!」と気合を入れなくてはならず、長続きしないと思います。
リラックスして楽しみながら読むことが、多読を習慣にするために最も大切なことだと思います。
kindleは洋書を読むのに最適
“kindle”をご存知でしょうか?
これはAmazonが販売している電子書籍リーダーです。
僕はハリポタは全てこのkindleで読みました。
分からない単語があればすぐに辞書機能を使えたり、知らない単語の一覧を作ることもできるんですよ!
kindleについては以下の記事で詳しく書いているので参考にしてください。
旅行にはkindleを持っていこう!”ペンギン”から始めよう
今までハリポタを中心に話してきましたが、おそらくほとんどの人にとってハリポタは難しいと思います(ハリポタを読み始められるレベルの目安は前述しています)。
いきなり難しいものを読んでも、理解が追い付かなくて全く英語の勉強にならないですし、挫折して読むのをやめてしまったらそれこそ本末転倒です。
自分の手の届くレベルの本から始めて、徐々にレベルアップしていくのが一番確実な方法です。
僕はハリポタが初めての洋書ではありませんでした。
上でも述べたように高校生の時に英語の課題で小説を読んでいました。
また、僕の大学では1年生は授業とは別に「リーディング」という課題がありました。
これは、大学にある洋書を読み、その後ポータルサイトでその本に関する簡単な問題を解き、合格するとその本の単語数がカウントされる、というものでした。
Penguin Readersシリーズという、英語学習者のために出されている洋書がたくさん大学にあったため、それらをよく読んでいました。
読んでいた本はハリポタよりも、ずっと簡単なものです。
ページ数は20-30pほどで、単語も文法も非常に簡単なもので、単語数は8000-15000程度のものをいつも読んでいました。
洋書を読んだことのない人はこの”ペンギン”から始めるのをおすすめします。
ペンギンでは本にレベルがあり、”Starter”が一番簡単で、”Level1″~”Level7″と続きます。
ほとんどの人はLevel2から始めるのがいいと思います。
大学生や英語を習慣的に勉強している方であれば、Level3からでもいいと思います。
ペンギンの本はAmazonで買うことができます。
値段は1200円程度で本のボリュームと比較したら少しお高めです(中古だと500円ぐらいです)。
ちなみに僕は以下のようなものを読んでいました。
読破して思ったこと
読破して思ったことが3点あります。
- 英文を読むのが速くなった
- 語彙力の向上
- 日本語を読むのも速くなった(?)
英文を読むのが速くなった
1冊目の「賢者の石」を読んでいる時は、読むスピードがとても遅かったのですが、読み進めるうちに次第に速くなっていきました。
最初はかなり遅くて挫折しそうになりましたが、速くなると読むのが楽しくなってきました。
自分の英語力の成長が感じられ、達成感が得られ、さらなるモチベーションも生まれました。
ハリポタをある程度スラスラ読めるようになってくれば、もちろん他の英文を読むスピードも上がってきます。
僕は最近研究室に所属し論文を読み始めたのですが、「洋書を読んできて良かった」とつくづく思います。
もちろん、受験やTOEICなどの試験でも活きてきます。
もし、長文問題が苦手な方がいたら、闇雲に参考書を買うのではなく実際に英語の長文に触れる時間を増やすことをおすすめします。
参考書の日本語とにらめっこするんだったら、1秒でも長く英文を読んだ方が絶対に勉強になります。
語彙力の向上
語彙力はかなり上がったと感じています。
やはり英語の小説だけなことあって、単語帳や教科書などで目にしたことのない単語とたくさん出会いました。
また、登場人物の会話文を読むことで、「こういう言い回しもあるのか~」と勉強になりました。
日本語を読むのも速くなった(?)
気のせいかもしれませんが、日本語を読むスピードも上がったかもしれません。
母国語である日本語は当然理解するのに要する時間が英語より短いわけですから、第二言語である英語を読むスピードが上がれば、こちらも速くなるのでしょうか?
他の洋書も読んでました
2020年の3月からはノンフィクションの洋書も読んでいます。
今まで読んできた本は全て子供向けや児童向けのものでしたが、これらは完全にネイティブの大人が普段読んでいる本です。
この1年ですでに3冊読み終えており、現在4冊目を読んでいます。
ハリポタより英語のレベルは高く、理解できない文もたくさんありますが内容はかなり興味深く楽しみながら読んでいます。
会話が無いのが結構つらいですが…
このような本を読んでからハリポタを読むと「ハリポタ簡単じゃん!」と思えるので、ノンフィクションを読むのはマラソンで言うと高地トレーニングのようなものですね笑
ハリポタで物足りなくなってきたら、こういうのを読むとさらにステップアップできます。
洋書を読み始めてから、日本語に訳されていない本を読むことや、ネット上の英語の記事を読むことで今までは知りえなかった情報をたくさん収集することができるようになりました。
英語の勉強においても、非常に効果的な学習方法だと思います。
この記事を読んで、洋書の多読に少しでも興味が出てきた人がいたら幸いです。