ケニア最終日に悲しい気持ちになった話

意気揚々とケニアを出国する予定だったのに空港で様々なことが最終日に起こりました。
特に共有することでも無いかと思いますが「日本人でもこういうことあるんだ~」とか「海外だとこんな理不尽なことあるんだ~」みたいなことを知っていただければと思います。

 


 

2か月半のケニア滞在を終え、少し名残惜しみながらも次の目的地への期待を胸に空港に向かいました。

 

空港に入る前に最後に記念写真を撮ろうと思いました。すぐ近くに警備員のような方がいてスマホを見ていて暇そうだったのでお願いしました。

しかし「なんで?」と返答されました。 

なんで?…いくら何でもぶっきらぼうすぎる。

相手は仕事中だったのでお願いした自分にも非があるとは思いますが、スマホいじってたし写真1枚くらい別にいいでしょと思いました。

この時は特に何も感じませんでしたが、これから色々と起こります。

 

手荷物検査を終え空港内に入りチェックインをするために航空会社のカウンターの列に並んでいました。

その際に空港の職員が手荷物検査をしたいと言ってきたのでしぶしぶ応じました。

列に並んでいるときに前にアジア人の男性3人グループがいたのですがその人たちの連れかと聞かれ、違うと答えました。

手荷物検査を終えた後にしばらく様子を観察していたのですが僕以降誰も手荷物を検査していませんでした。

もちろん何人おきに検査をするみたいなルールを決めていたかもしれませんがなんだかピンポイントで僕だけ手荷物検査をされた気分でした。

 

15程度待ってようやく自分の順番になり、パスポートを係の人に渡しました。

ケニアからスウェーデンに行く航空券だったのでそれで間違いないかと確認がありました。

その次に全く予想していない質問が来ました。

「スウェーデンの身分証明書を持っているか」。

事前に短期の滞在であればビザなどの書類はいらないと確認していたので予想外の質問が来て少し困惑しました。

なので「入国に必要なんですか?」と聞き返したら「スウェーデンに住んでないの?」と聞かれ「観光するだけです」と答えたら「スウェーデンから出国する際の航空券見せて」と言われロンドン行きの航空券を見せて相手は納得し、チケットを発券してくれました。

この時に疑問に思ったのがどう見ても自分はアジア人でスウェーデンに住んでいるようには見えないのになぜそんなことを聞くのかということです。

全く理解できませんでした。

最初からスウェーデンから出国するときの航空券を見せてと言えばいいのになんで意味不明な質問されたんだろうと思いました。

この時ぐらいから何か少し自分への風当たりが強い気がすると感じました。

 

発券されたチケットをもってそのままイミグレに行きました。

とくに混んでもなくすぐに自分の番になりました。

ここまで来るのに色々あったのでここでは何も起こりませんようにと祈りながら職員にパスポートと航空券を渡しました。

パスポートをペラペラめくりながら「ケニアで何してたの?」「ケニア楽しかった?」みたいな世間話をし、指紋の採取を終えました。「ふぅ。ここでは何もないようだ」と思いました。

しかしそう思ったのも束の間カウンターの裏側に呼び出されました

パスポートの入国の際に押されたハンコを指さしながら「オーバーステイしているよ」と言われました。

 

ケニアではビザなしだと1か月しか滞在できません。

もちろんそんなことはケニアに来る前から知っていたのでビザをちゃんと取って3か月滞在できるようにしていました。タイでの失敗も生かして入国の際にビザを忘れずに見せました。

なので僕はビザを見せて、自分が3か月滞在できるということを話しました。

そしたらその職員は入国のスタンプの上に書いてある文字を指さして「ここには1か月しか滞在できないってかいてあるよ」と言ってきました。

そこを見てみると全く読めないとても汚い文字で”1 month”と思われる文字が書かれていました。

 

入国の際に審査官は僕のビザを見たうえで1か月しか滞在できないと記入したのです。

加えて、入国の時に少し引っかかっていたのですがビザを見せた時になぜかそのビザが回収されたのです。ビザはPDFデータとして取得したので何枚でも印刷できるのでその時は特に何も言わずに渡しました。

つまり、入国の際の審査官は三か月滞在できることを証明したビザを渡したらそのビザを僕から奪った上に一か月しか滞在できないとパスポートに記載したのです。

今この文章を書きながら無性に腹が立ってきました。

恐らく出国の時にこうなることを予想してやったのでしょう。
こいつらグルです。

 

確かに言われてみれば”1 month”に見えなくも...いやどう頑張っても読めませんね

 

僕は万が一に備えてビザをもう一度印刷していたのでそれを審査官に見せました。

ですがその人は「ここに1か月と書いてあるんだから、1か月しか滞在できないんだ。」と言いました。なので僕は「それは入国の際の審査官の間違いで僕の責任では無い」と言い返しました。

こんな感じの押し問答が2分ぐらい続いた後にようやく出国を許可されました。

もしビザを印刷していなかったら恐らくもっと面倒なことになっていたと思いますし、最悪罰金を払うことになっていたかもしれません。

これは僕にも1%くらい非があります。

入国の際に3か月滞在できることを聞いておけばこんなことにはならなかったと思います。

しかし、長旅で疲れていてさっさとイミグレを終えて荷物をもって外に出たいですし、イミグレで後ろに待っている人がたくさんいるのに入国のスタンプを確認して自分の滞在できる期間を聞く余裕なんてありません。

出国の審査官も自分のやるべきことをしたまでかもしれないと最初は思っていましたが、それならなぜ後ろに呼び出したんでしょう?

カウンターの前でも問題なく話せたはずなのになんで他の人が聴きづらいように後ろに呼び出したんでしょうか。

もうこの時点で嫌がらせを受けているなとの疑念がほとんど確信に変わりました。

 

その後は飛行機が1時間ほど遅れたことを除いては問題なく過ごせました。

しかし、空港のラウンジで座って待っているときに少し遠くに、チェックインのときに列の前に並んでいたアジア人男性三人組が座っていました。そこに空港の職員が来て何やら話しかけていました。

話は結構長くアジア人の男性は必死に何かを訴えていました。その後話は終わり職員は去っていきましたが、直後にもう一人の職員を連れて戻ってきました。

またしばらく話し合っており、アジア人の男性は最後の方にはほとんど泣きそうな顔でした。

最終的に折り合いがついたのかその男性は解放され笑顔で空港の職員にサンキュー、サンキューと言いながら席に座りました。

 

これらの出来事は偶然が重なったことかもしれません。断言はできないですし、したくもないですが空港の職員はアジア人に嫌がらせをしているという印象を持たざるを得ませんでした。

ケニア最終日にこんなことが起こってとても悲しかったです。


 

歴史を見返せば数多くの差別や偏見などがあり、現在でも同じようなことが起こっています。

今回の出来事はそのようなものと比べると取るに足りな程小さな出来事でしたが、何も悪いことをしていないのに自分の生まれた国や地域などで嫌がらせや不当な扱いを受けている人の気持ちがほんの少しですが理解することができました。

今まで国内でも国外でも差別なんてされたことありませんでしたので、今となっては良い経験だったなと思います。

 

今までいろんな国籍の人に会ってきました。

当たり前のことですが、一人一人違います。

「〇〇人だから××に違いない」といった固定概念を持つのは間違いです。

実際に会って話してみて一緒に時間を過ごさないとその人がどんな人だかなんて分かりようがありません。

差別や偏見も実際に話し合えばすぐに打ち解けられるかもしれません。

 

今回の一件で今までにも増してどんな人にも偏見や先入観を捨てて平等に接していきたいと考えるようになりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA