鳥の鎖骨はなぜつながっているのか?

鳥の鎖骨はなぜつながっているのか?

鎖骨という骨を皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。
人では鎖骨は胸骨と肩甲骨をつなぐ働きをしています。

鳥もこの骨を持っているのですが、実は鳥では左右の鎖骨がつながっており、癒合鎖骨と呼ばれています。

なぜ鳥ではこの骨がつながったのでしょうか?
それには鳥ならではの理由がありました。


多くの鳥類学者は飛ぶ時の翼の運動と呼吸には関係があると考えていました。
鳥は人間のように横隔膜を持たないため、胸郭を拡大・縮小させることで呼吸を行います。
以前の記事でも述べたようにこの運動は肋間筋(肋骨の間の筋肉)により行われます。

しかし、驚くべきことに鳥の鎖骨も胸郭の運動に大きく関わっていたのです。

鎖骨は肩関節を支える役割しか持たないと考えられてきました。
しかし実際は重ね板バネのように動いており、翼が振り下ろされると広がり、翼が上に戻ると元の形に戻っていました。

鎖骨は胸郭とつながっているのでその動きに応じて胸郭も拡大・縮小します。

つまり本来であれば肋間筋のみで行われる呼吸ですが、鎖骨のおかげで飛行時に使う筋肉も呼吸に関われるようになっているのです。

飛んでいるときに呼吸がより効率的に行われるというのはとても感心しました。


また翼が振り下ろす際にその力の一部がこの鎖骨に蓄えられます

そして翼を元の場所に戻す際にこの”バネ”に蓄えられた力が利用されて簡単に翼を持ち上げることができます。

以上のことをまとめると…

・飛ぶときに使う筋肉の力を胸郭に伝えることで呼吸を助けている。
呼吸がしやすくなる!

・翼を振り下ろす際に力を蓄え、翼を持ち上げる手助けをしている。
飛ぶのに使うエネルギーを節約できる!

というように、まさに一石二鳥の役割を果たしていることが分かりました!


大学で鳥の鎖骨がつながっていることは習っていたのですが、まさかこんな働きを持つとは知りませんでした。

鳥や他の動物もそうですが、生き物の体のつくりって本当に理にかなっていて興味深いですよね!

いつか鳥の骨格標本に触れる機会があったら是非癒合鎖骨を開いたり閉じたりしてみてはいかがでしょうか?
(力を入れすぎてボキッとならないように注意してくださいね…)

最後まで読んでいただきありがとうございました!

参考
“Manual of Ornithology” Noble S. Proctor & Patrick J. Lynch Yale University Press

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