海鳥は何を飲むの?鳥の塩類腺について

「海鳥は何を飲んでいるのだろうか?」
もしかしたらこのように考えたことがある人がいらっしゃるかもしれません。

今回の記事ではこの問いのキーとなる「塩類腺」について解説していきたいと思います!


僕はずっと海鳥は海水を飲んでいると思っていました。

しかし、海水は体液よりも塩分濃度が濃いです。

そのためそれを飲んでしまうと腎臓は海水を薄めようとして飲んだ量より多くの水を必要とし、さらにのどが渇いてしまいます。

このような理由で海で遭難しても海水を絶対に飲んではいけないと言われています。

それでは海鳥はどのようにして水分を摂取しているのでしょうか。

結論から言うと海鳥は海水を飲んで水分補給をしています。

人間をはじめ多くの動物は上に述べたような理由で海水を飲めないのになぜ彼らは飲めるのでしょうか。

その理由は、海鳥が持っている大変発達した塩類腺にあります。

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塩類腺の働きは簡単に言うと「血中から塩分を取り除くこと」です。

具体的にどのように取り除いているのか以下より説明していきます。

STEP.1
海水を飲む
海水中の塩分が血中に取り込まれ、塩分濃度が高くなります。
STEP.2
塩類腺によるNaとClの吸収
血液が塩類腺の周囲の血管を流れる際にNa+(ナトリウムイオン)とCl-(塩化物イオン)が吸収され、塩類腺の内腔に流れ込みます。
STEP.3
集合管へ
塩類腺の内腔を流れる塩分濃度の高い液体は、集合管に集まります。
STEP.4
体外へ排出
塩類腺から鼻腔に管が伸びており、その液体は鼻腔から体外に排出されます。

 

塩類腺の構造は腎臓のように対向流の血液が流れており、これにより塩を効率よく血液中から取り除くことができます。

毛細血管は塩類腺の細管の周りに張り巡らされており、その細管の壁は細胞1個分の厚さしかないのですが、血液と塩分濃度の高い液体を隔てるとても良いバリアーの役割を果たしています。

海鳥の場合、この鼻腔に分泌される液体の塩分濃度は5%程度に濃縮されています。

これは体液濃度(約0.9%)のおよそ5倍の濃度であり、これにより海鳥は海水を飲むことができています。

ウミガメが出産の際に涙を流すというのは有名な話だと思いますが、彼らも塩類腺を持っており出産のときに目から流れ落ちるのは涙ではなく余分な塩です。

これらの動物はこの塩類腺を持っていることで海で生きていくことができています。


海で生活する動物が陸上動物にはない腺を持っているというのには驚きました!

いつか海鳥を解剖する機会があったら是非見てみたいです!

アザラシとかの哺乳類は持ってないそうなのですが彼らはどうやって海の中で生きているんでしょうね??

いつか調べてみたいと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

参考
・ “Manual of Ornithology” Noble S. Proctor & Patrick J. Lynch Yale University Press
https://www.sciencedirect.com/topics/veterinary-science-and-veterinary-medicine/salt-gland

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